現代短歌評論賞の歴代受賞者(第1回〜第42回)
短歌研究社が「短歌研究」誌で公募した評論の賞、現代短歌評論賞の全42回の受賞者と対象評論を並べました。2025年からは後継の短歌研究評論賞に引き継がれ、第1回は平尾勇貴さん、第2回は松澤もるさんです。短歌研究社の公式ページの表で確認した内容です。
この表は、短歌研究社の「短歌研究評論賞」のページに載る受賞者一覧をもとにしています(確認日2026-11-01)。この賞は、うたごよみが全回を載せている主要4賞(角川短歌賞・短歌研究新人賞・歌壇賞・迢空賞)には入っていません。
現代短歌評論賞の受賞者と対象評論
昭和29年に始まり、第4回で一旦中止になったあと、昭和58年に再開しました。公式の表は再開後も第1回から数え直しているため、前期(昭和29〜36年)と後期(昭和58年〜令和6年)をひと続きの表にして、回の数え方は公式のままにしています。
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| 年 | 回 | 受賞者 | 対象評論 |
|---|---|---|---|
| 昭和29年 | 第1回 | 菱川善夫 | 「敗北の抒情」 |
| 昭和29年 | 第1回 | 上田三四二 | 「異質への情熱」 |
| 昭和32年 | 第2回 | 該当者なし | — |
| 昭和33年 | 第3回 | 秋村功 | 「短歌散文化の性格」 |
| 昭和36年 | 第4回 | 該当者なし | — |
| 昭和58年 | 第1回 | 該当者なし | — |
| 昭和59年 | 第2回 | 山下雅人・日夏也寸志 | (特別賞) |
| 昭和60年 | 第3回 | 山下雅人 | 「現代短歌における『私』の変容」 |
| 昭和61年 | 第4回 | 喜多昭夫 | 「母性のありか」 |
| 昭和62年 | 第5回 | 谷岡亜紀 | 「『ライトヴァース』の残した問題」 |
| 昭和63年 | 第6回 | 加藤孝男 | 「言葉の権力への挑戦」 |
| 平成元年 | 第7回 | 坂出裕子 | 「持続の志‐岡部文夫論」 |
| 平成元年 | 第7回 | 大野道夫 | 「思想兵・岡井隆の軌跡」 |
| 平成2年 | 第8回 | 島瀬信博 | 「鳥はどこでなくのか」 |
| 平成3年 | 第9回 | 柴田典昭 | 「大衆化時代の短歌の可能性」 |
| 平成4年 | 第10回 | 小塩卓哉 | 「緩みゆく短歌形式」 |
| 平成5年 | 第11回 | 猪熊健一 | 「太平洋戦争と短歌という『制度』」 |
| 平成6年 | 第12回 | 吉川宏志 | 「妊娠・出産をめぐる人間関係の変容」 |
| 平成7年 | 第13回 | 田中綾 | 「アジアにおける戦争と短歌」 |
| 平成8年 | 第14回 | 岩井謙一・田中晶子 | (優秀作) |
| 平成9年 | 第15回 | 岩井謙一・河路由佳 | (優秀作) |
| 平成10年 | 第16回 | 岩井謙一 | 「短歌と病」 |
| 平成11年 | 第17回 | 小澤正邦 | 「『も』『かも』の歌の試行──歌集『草の庭』をめぐって」 |
| 平成12年 | 第18回 | 小林幹也 | 「塚本邦雄と三島事件──身体表現に向かう時代のなかで」 |
| 平成13年 | 第19回 | 森本平 | 「『戦争と虐殺』後の現代短歌」 |
| 平成14年 | 第20回 | 川本千栄 | 「時間を超える視線」 |
| 平成15年 | 第21回 | 矢部雅之 | 「死物におちいる病──明治期前半の歌人による現実志向の歌の試み」 |
| 平成16年 | 第22回 | 森井マスミ | 「インターネットからの叫び──「文学」の延長線上に」 |
| 平成17年 | 第23回 | なみの亜子 | 「寺山修司の見ていたもの」 |
| 平成18年 | 第24回 | 高橋啓介 | 「現実感喪失の危機──離人症的短歌」 |
| 平成19年 | 第25回 | 藤島秀憲 | 「日本語の変容と短歌──オノマトペからの一考察」 |
| 平成20年 | 第26回 | 今井恵子 | 「求められる現代の言葉」 |
| 平成21年 | 第27回 | 山田航 | 「樹木を詠むという思想」 |
| 平成22年 | 第28回 | 松井多絵子 | 「或るホームレス歌人を探る──響きあう投稿歌」 |
| 平成23年 | 第29回 | 梶原さい子 | 「短歌の口語化がもたらしたもの──歌の『印象』からの考察」 |
| 平成24年 | 第30回 | 三宅勇介 | 「抑圧され、記号化された自然〜機会詩についての考察」 |
| 平成25年 | 第31回 | 久真八志 | 「相聞の社会性─結婚を接点として」 |
| 平成26年 | 第32回 | 寺井龍哉 | 「うたと震災と私」 |
| 平成27年 | 第33回 | 三上春海 | 「歌とテクストの相克」 |
| 平成28年 | 第34回 | 該当者なし | — |
| 平成29年 | 第35回 | 雲嶋聆 | 「黒衣の憂鬱──編集者・中井英夫論」 |
| 平成30年 | 第36回 | 松岡秀明 | 「短歌結社の未来と過去にむけて」 |
| 令和元年 | 第37回 | 土井礼一郎 | 「なぜイオンモールを詠むのか──岡野大嗣『サイレンと犀』にみる人間性護持の闘い」 |
| 令和2年 | 第38回 | 弘平谷隆太郎 | 「歌人という主体の不可能な起源」 |
| 令和3年 | 第39回 | 小野田光 | 「SNS時代の私性とリアリズム」 |
| 令和4年 | 第40回 | 桑原憂太郎 | 「口語短歌による表現技法の進展~三つの様式化」 |
| 令和4年 | 第40回 | 髙良真実 | 「はじめに言葉ありき。よろずのもの、これに拠りて成る──短歌史における俗語革命の影」 |
| 令和5年 | 第41回 | 中島裕介 | 「〈前衛〉と実作 ── 生成AI時代に、人が短歌をつくること」 |
| 令和6年 | 第42回 | 竹内亮 | 「仮想的な歌と脳化社会── 二〇二〇年代の短歌」 |
後継の短歌研究評論賞(第1回・第2回)
公式ページによると、短歌研究評論賞は、42回開催した現代短歌評論賞の基本理念を引き継ぎつつ、応募規定を一新して始まった賞です。第2回の選考委員は川野里子・松村正直・土井礼一郎・寺井龍哉の各氏で、応募の課題は「現代短歌についての評論」、字数は原則6000字以上1万2000字以内です。
| 年 | 回 | 受賞者 | 対象評論 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 第1回 | 平尾勇貴 | 「引用と編集の詩学──ディレクターがあらわれるとき」 |
| 令和8年 | 第2回 | 松澤もる | 「連作の領分」 |
表の読み方
- 年は、公式の表の「年」の列にある和暦のままです。
- 昭和59年の第2回は特別賞、平成8年の第14回・平成9年の第15回は優秀作として、公式の表に載っています。
- 該当者なしは、昭和32年の第2回、昭和36年の第4回、昭和58年(再開後の第1回)、平成28年の第34回です。
- 同じ回に2編が選ばれた回は、昭和29年の第1回、平成元年の第7回、令和4年の第40回です。
- 題名の一部は、公式の表で改行されていた箇所を「──」でつないで示しています。
確認に使った資料
- 短歌研究社「短歌研究評論賞」(確認日2026-11-01。ページ内の「これまでの『現代短歌評論賞』受賞者」と「『短歌研究評論賞』受賞者」の二つの表。第2回は2026年7+8月合併号に詳細掲載予定と記載)
現代短歌評論賞のよくある質問
現代短歌評論賞は今も募集されていますか
現代短歌評論賞は第42回(令和6年)で終了しました。公式ページによると、基本理念を引き継ぎつつ応募規定を一新した短歌研究評論賞が新たに始まり、第1回は令和7年、第2回は令和8年に受賞者が決まっています。
現代短歌評論賞の回数が第1回から二度始まるのはなぜですか
公式の表では、昭和29年の第1回から昭和36年の第4回までで一旦中止となり、昭和58年に再開して再び第1回から数えています。この表も公式の数え方のまま載せています。
現代短歌評論賞で該当者なしだった年はありますか
あります。公式の表では、昭和32年の第2回、昭和36年の第4回、昭和58年の再開後の第1回、平成28年の第34回が該当者なしです。
関連ページ
- 賞アーカイブ: 主要4賞の第1回から最新回までの全受賞者。
- 短歌研究賞の歴代受賞者: 同じ短歌研究社が贈る賞の第1回から第61回まで。
- 短歌研究新人賞の応募規定: 首数・締切・発表時期。
- 歌集新刊アーカイブ: 受賞歌集を刊行月から探せます。