短歌研究新人賞の受賞から第一歌集までの年数(9人)
短歌研究新人賞は、連作(まとまりのある短歌の組)を公募する新人賞で、受賞作そのものは歌集ではありません。受賞者が最初の歌集を出すまでには、何年かかるのでしょうか。2008年から2020年までの受賞者のうち、最初の歌集をNDLで確認できた9人を、受賞年・歌集名・刊行年とあわせて一覧にしました。角川短歌賞の同じ表は角川短歌賞の受賞者の最初の歌集までの年数、歌壇賞は歌壇賞の受賞者の最初の歌集までの年数、各回の受賞者は賞アーカイブで確認できます。
受賞者9人の最初の歌集
短歌研究新人賞の第51回(2008年)から第63回(2020年)までの受賞者のうち、NDLで最初の歌集を確認できた9人を、受賞の早い順に並べました。
表は横にスクロールできます →
| 受賞者 | 受賞回(年) | 最初の歌集 | 出版社 | 刊行年 | 受賞から |
|---|---|---|---|---|---|
| 田口綾子 | 第51回(2008年) | かざぐるま | 短歌研究社 | 2018年 | 10年 |
| 山崎聡子 | 第53回(2010年) | 手のひらの花火 | 短歌研究社 | 2013年 | 3年 |
| 馬場めぐみ | 第54回(2011年) | 無数を振り切っていけ | 短歌研究社 | 2025年 | 14年 |
| 山木礼子 | 第56回(2013年) | 太陽の横 | 短歌研究社 | 2021年 | 8年 |
| 石井僚一 | 第57回(2014年) | 死ぬほど好きだから死なねーよ | 短歌研究社 | 2017年 | 3年 |
| 小佐野彈 | 第60回(2017年) | メタリック | 短歌研究社 | 2018年 | 1年 |
| 工藤吉生 | 第61回(2018年) | 世界で一番すばらしい俺 | 短歌研究社 | 2020年 | 2年 |
| 郡司和斗 | 第62回(2019年) | 遠い感 | 短歌研究社 | 2023年 | 4年 |
| 平出奔 | 第63回(2020年) | 汽笛のふりをしている | 国際ヒライデホン空港 | 2019年 | 受賞の前年 |
9人とも、NDLの書名・著者名の一致で同一人物と判断しており、出版社の著者略歴では確かめられていません。平出奔の『汽笛のふりをしている』は、受賞(2020年)より前の2019年にNDLへ登録された歌集で、受賞後の刊行ではないため、下の年数の集計には入れていません。
年数の分布
受賞後に最初の歌集を出した8人の年数は、短い順に1年・2年・3年・3年・4年・8年・10年・14年で、中央値は3.5年、平均は約5.6年です。
表は横にスクロールできます →
| 受賞から | 人数 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 1〜3年 | 4人 | 小佐野彈・工藤吉生・山崎聡子・石井僚一 |
| 4〜8年 | 2人 | 郡司和斗・山木礼子 |
| 9年以上 | 2人 | 田口綾子・馬場めぐみ |
確認できた8人に限ると、3年以内が4人、9年以上かかった人が2人います。ただし、歌集が見つからなかった人を除いた数なので、全受賞者の傾向とは言えません。
受賞年の前半と後半、第一歌集の版元
受賞後に歌集を出した8人を、受賞が2008〜2014年の5人(第51〜57回)と、2017〜2020年の3人(第60〜62回)に分けて、上の表の年数を集計しました。
| 受賞年 | 人数 | 受賞者 | 中央値 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 2008〜2014年 | 5人 | 田口綾子・山崎聡子・馬場めぐみ・山木礼子・石井僚一 | 8年 | 約7.6年 |
| 2017〜2020年 | 3人 | 小佐野彈・工藤吉生・郡司和斗 | 2年 | 約2.3年 |
後半のほうが短く見えますが、2019年の受賞者が2026年までに待てる年数は最大でも7年です。後から受賞した人ほど、早く歌集を出した人だけが表に入るため、近年のほうが歌集を早く出せるようになったとは言えません。角川短歌賞でも同じ数え方の限界があり、角川短歌賞のページでは前半と後半の集計を載せています。
受賞後に歌集を出した8人は、全員が短歌研究社(賞を主催する側の版元)から第一歌集を出しています。受賞前の2019年に歌集を出していた平出奔は、国際ヒライデホン空港という別の版元でした。3賞を並べた割合は第一歌集の版元が受賞誌の版元と同じ割合、年数の3賞比較は歌壇賞のページの比較表にあります。
表に入れなかった受賞者
- 第52回(2009年)のやすたけまりは、NDLに「安武, 真理」名義の歌集『ミドリツキノワ』(短歌研究社、2011年)の登録がありますが、受賞者と同一人物かを確かめられなかったため、入れていません。
- 第53回(2010年)の吉田竜宇、第55回(2012年)の鈴木博太、第58回(2015年)の遠野真、第59回(2016年)の武田穂佳、第61回(2018年)の川谷ふじの、第62回(2019年)の中野霞の6人は、NDLの氏名検索で歌集を確認できませんでした。歌集が無いと確認したわけではありません。
- 第64回(2021年)以降の受賞者は、受賞からの年数がまだ短く、集計の対象にしていません。
確認に使った資料
短歌研究新人賞の最初の歌集までの年数のよくある質問
短歌研究新人賞の受賞作は、そのまま歌集になるのですか
なりません。短歌研究新人賞は連作(まとまりのある短歌の組)を公募する新人賞で、受賞作そのものは歌集ではありません。このページの表は、受賞者が後に出した最初の歌集を、受賞年と刊行年の差で並べたものです。
受賞から最初の歌集まで、何年かかっていますか
受賞後に最初の歌集を出した8人では、短い順に1年・2年・3年・3年・4年・8年・10年・14年で、中央値は3.5年、平均は約5.6年です。ただし確認できた人だけの数なので、全受賞者の傾向とは言えません。
平出奔が年数の集計に入っていないのは、なぜですか
『汽笛のふりをしている』が、受賞(2020年)より前の2019年に国立国会図書館サーチへ登録された歌集で、受賞後の刊行ではないためです。表には載せていますが、8人の年数の集計には入れていません。
受賞者16人のうち9人しか載っていないのは、なぜですか
第51〜63回の受賞者16人のうち、国立国会図書館サーチで最初の歌集を確認できたのが9人だけだからです。やすたけまりは「安武, 真理」名義の歌集がありますが同一人物かを確かめられず、ほかの6人は歌集を確認できませんでした。歌集が無いと確認したわけではありません。
第64回(2021年)以降の受賞者は、なぜ対象外ですか
受賞からの年数がまだ短く、年数を比べる対象にしていないためです。
関連ページ
- 受賞者の歌集: 主要4賞の受賞者が2025年2月以降に出した歌集を、最初の受賞からの年数つきで確認できます。
- 賞アーカイブ: 4賞の第1回から最新回までの全受賞者を確認できます。
- 角川短歌賞の受賞者が最初の歌集を出すまでの年数: 第54〜66回の受賞者14人の第一歌集と、受賞からの年数。
- 歌壇賞の受賞者が最初の歌集を出すまでの年数: 第19〜31回の受賞者のうち確認できた6人の第一歌集と、受賞からの年数。
- 第一歌集の版元が受賞誌の版元と同じ割合: 3賞の受賞者29人を賞別に集計。
- 歌集新刊アーカイブ: 2013年1月以降の歌集新刊8114件を、著者名・書名・出版社・月別で探せます。
- 歌集新刊の出版社別・月別件数: 歌集を出した版元ごとの刊行数を月別に確認できます。